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最低賃金制度

 

最低賃金制度とは?

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

労働者、使用者双方の合意の上で最低賃金額より低い賃金を定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされ最低賃金との差額を支払わなくてはなりませんので注意が必要です。また、以下のような罰則もあります。

最低賃金制度の罰則

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

 

 

令和3年度の引上げ目安について

厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が目安を決め、これをもとに各都道府県が金額を決定します。毎年10月を目途に新しい最低賃金が適用されます。

また、令和3年度の最低賃金改定の目安は令和3年7月16日に行われた第61回中央最低賃金審議会で示され、今年度の引上げ額の全国加重平均は28円となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となりました。

 

ここからは最低賃金の種類や確認方法について解説します。

 

最低賃金の種類

最低賃金には、地域別最低賃金及び特定最低賃金の2種類があります。

 

(1)地域別最低賃金

地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。

 

(2)特定最低賃金

特定最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。関係労使の申出に基づき最低賃金審議会の調査審議を経て、同審議会が地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について設定されています。全国で228件(令和2年4月1日現在)の最低賃金が定められています。

 

なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

 

 

最低賃金の適用される労働者の範囲

地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者)とその使用者に対して適用されます。特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。

派遣労働者への適用

派遣労働者には、派遣先の最低賃金が適用されます。

 

 

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。実際に支払われる賃金から一部の賃金を除いたものが対象となります。

 

【除外される賃金の例】

1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

2. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(残業手当など)

4. 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日出勤手当など)

5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜残業手当など)

6. 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

 

 

最低賃金額以上かどうかを確認する方法

最低賃金額以上となっているかどうかは、賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金(時間額)と比較します。

 

(1)時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

 

(2)日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、日給≧最低賃金額(日額)

 

(3)月給制の場合

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

(4)出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

 

(5)上記(1)、(2)、(3)、(4)の組み合わせの場合

例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

 

 

最低賃金は近年都道府県によっては毎年のように引上げが実施されています。気がついたら最低賃金を下回っていたという事がないように注意が必要です。

 

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