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キャンセル料、違約金、損害賠償金の消費税について

コロナ禍によるイベントの中止や、活動の自粛など、キャンセル料を支払う、あるいは受取る機会が以前よりも増えてきているのではないかと思われます。

キャンセル料といっても内容は様々なため、消費税がかかる場合もあれば、かからない場合もあり注意が必要です。

今回は、違約金や損害賠償金、キャンセル料の消費税の取扱いについて確認していきましょう。

課税取引の4要件と違約金、損害賠償金

消費税が課税される取引は、次の4つの要件を満たす取引です。

1.国内において行われるものであること

2.事業者が事業として行う取引であること

3.対価を得て行う取引であること

4.資産の譲渡や貸付け及び役務の提供等に係る取引であること

一般的に、違約金や損害賠償金は遺失利益の補填という性格のため、3つ目の「対価を得て行う取引であること」を満たさず、課税対象外(不課税)の取引とされるものが多いです。

では、違約金や損害賠償金に消費税が課税されるのはどのような場合があるのか、事例を見ていきましょう。

違約金の支払いが課税取引となる例―賃貸解約時―

賃貸の事務所を解約する時に違約金が発生する場合がありますが、中途解約のためか明け渡しの遅滞によるものかで、それぞれ消費税の取扱いは異なります。

1.中途解約をしたために発生した違約金 → 不課税取引

2.明け渡しが遅滞したことによって発生した違約金 → 課税取引

1の場合は、中途解約により生じる逸失利益を補填する性格のものであるため不課税取引となります。

2の場合は、違約金という名目だとしても、明け渡しが遅滞したことで事務所は使用されているため、事務所利用の対価として消費税が課税されます。

キャンセル料の支払いが課税取引となる例―航空チケットのキャンセル時―

航空券の予約をキャンセルする場合、多くの航空会社では「払戻手数料」と「取消手数料」が発生しますが、こちらも消費税の取扱いは異なります。

1.払戻手数料 → 課税取引

2.取消手数料 → 不課税取引

1は、払い戻しの事務手数料としての性質を有しているため、「解約手続」という役務の提供の対価として消費税が課税されます。

2は、取消「手数料」という名前はついていますが、実態は航空会社の逸失利益を補填する性格のものであるため、不課税取引となります。

事務手数料と損害賠償金を区分できない場合

なかには、事務手数料に相当する部分と損害賠償金に相当する部分を一括して「キャンセル料」としている場合もあります。

そのような場合には、その全額を不課税として取り扱うこととされています。

まとめ

請求書の明細に、違約金や損害賠償金、キャンセル料という記載があったらすべて不課税取引としてしまうのではなく、取引内容の実態を把握し、何らかの役務の提供の対価となっていないかをよく確認するようにしましょう。

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