経理のコツ
リース取引をした場合
リース取引をした場合には、その取引内容により、会計処理が異なります。
契約期間に応じたリース料を支払い、リース期間が終了すると、当該リース資産を賃主に返却する取引です。
当該リース資産が故障等した場合の費用は賃主が負担します。
この場合には、借主はリース資産を取得したわけではなく、単に「借りているだけ」と考えますので、会計上も資産計上をせず、支払ったリース料を費用計上することになります。
【仕訳イメージ】
≪オペレーティング・リース契約締結時≫
(リース料総額:1,200,000円、リース期間:5年)
→ 仕訳なし
≪リース料支払時≫
→ リース料 20,000円 / 現預金 20,000円
ファイナンス・リースとは、「リース期間における中途解約が不能」等の要件が付されているリース取引です。
当該リース資産が故障等した場合の費用は借主が負担します。
この場合に借主は、リース資産を購入したことと同等であると考えられますので、会計上、当該リース資産を資産計上することになります。
また、リース資産の見積購入価格とリース料総額は異なりますので、その差額は支払利息としてリース期間において費用計上します。
ファイナンス・リース取引には、リース期間終了後に、当該リース資産の所有権が借主に移転するもの(所有権移転ファイナンス・リース取引)と、所有権が移転しないもの(所有権移転外ファイナンス・リース取引)とがあり、どちらに該当するかによって、減価償却費の計上方法が異なります。
所有権移転ファイナンス・リース取引の場合には、会社の選択している償却方法・法定耐用年数にて減価償却を行い、所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合には、リース期間定額法により減価償却を行います。
【仕訳イメージ】
≪ファイナンス・リース契約締結時≫
(リース料総額:1,200,000円、リース資産の見積購入価格:1,080,000円、リース期間:5年、法定耐用年数:10年(定額法))
→ リース資産 1,080,000円 / リース負債 1,080,000円
≪リース料支払時≫
→ リース負債 18,000円 / 現預金 20,000円
支払利息 2,000円
≪期末(減価償却費の計上)≫
・所有権移転ファイナンス・リース取引の場合
→ 減価償却費 108,000円 / リース資産(または減価償却累計) 108,000円
・所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合
→ 減価償却費 216,000円 / リース資産(または減価償却累計) 216,000円
リース取引の会計処理については、判断に迷うときは税理士や税務署に確認することをおすすめします。